精神障害者の失敗する権利(べてるの家)


看護師をしていて、考えさせられた一文を紹介します。



メンバーにも「失敗する権利」があります。失敗や苦労から学ぶことも多いのです。
そういう意味で病院や看護者は「再発を防ぐ」という大義名分のもと、過剰なまでに「失敗する権利」を当事者から奪ってきたともいえるのではないでしょうか。

べてるの家の非援助論p166より



看護師はなぜ、失敗する権利を奪うのか、
それは看護倫理があるからだと思う。

倫理的原則
・善行の原則
患者の考える最善の利益を得られるために努めること

・無害の原則
患者に身体的、精神的、社会的な危害が生じるリスクを回避すること

・自律の原則
患者が自己決定するために必要な情報を提供し、その上で患者が決定した内容を尊重し従うこと



上記原則を考えと自己決定、自己責任を取れるのであれば失敗する権利を奪うことは無いと思う。しかし、自律の原則は正常な判断をできる人を対象としており、幻覚妄想状態の患者が正常な判断をできるとは思えない。どちらかと言うと、無害の原則や善行の原則をあてはめて、不利益が生じないように守ってあげたい部分が強いと思う。また、失敗は患者家族からのクレームにつながる場合があるため、あまり失敗をさせたくないと言う医療スタッフもいると思う。

医療スタッフが、患者から失敗する権利を好きで奪ってるのではなく、可能であれば自己決定、自己責任で生活をして欲しい。しかし、医療スタッフには倫理的原則があるため、葛藤のなかで患者に関わっていることを理解してもらえれば、患者ー医療スタッフの関係はより良いものになると自分は考えてます。


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